叱るときの注意点

叱れる大人の存在の重要性

近年の教育現場においては「褒め」が重要視される一方で、「叱る」という行動を適切に行うことができる人が少なくなってきています。

よく言われる社会現象として電車やお店の中など公共の場所で騒いでいる子供に対して、親ではない周囲の大人も昔は注意するようなことがよくあったのに、今ではそうしたことがほとんどないということがあります。

確かに子供の行動についての責任は両親や一番近い保護者にありますが、かといって周囲の大人は全く責任がないというわけではありません。

叱れる大人が少なくなってきた背景には、かつて教育現場では体罰がごく当たり前のことのように行われてきたことがあります。

体罰は許されることではありませんが、それをしてはいけないという過剰すぎる反応のため、学校など集団で社会生活を学ぶための場所においてすら「叱る」ことそれ自体が悪のように思われている風潮も見られます。

ですが叱ることは褒めることと同じくらい子供たちの人格形成にとって重要な意味を持つ行動なので、必要な場面には萎縮することなく堂々とした態度で行ってもらいたいものです。

良い叱り方・悪い叱り方とは

子供を叱る時に気をつけたいのが、「なぜ」「どうして」ということを明確に伝えながら行うということです。

会社勤めをしたことがある人なら一人くらいは思い当たることもあるかと思いますが、その日の気分やノリで怒ったり怒らなかったりする気分屋の上司というのは非常にやりにくいものです。

子供にとっては親や保護者はそこで見捨てられること=自分の生命の危機に関わることにもなる、会社における上司以上に大きな存在です。

親からの評価を全力で受けようとしている子供に対し、同じ行動をしたのにある時にはひどく叱責をし、また別の時にはまったく興味も示さないというような態度をとっていると、子供は自分のしたことの何が悪かったのかがわからず混乱した状態に置かれてしまいます。

怒られた理由がわからないということは、本質的に何がよくて何が悪いことなのかを理解できないということにもなるため、善悪の区別をはっきりとつけることのできないまま大きくなってしまうということになります。

また怒られてからかなり時間が経ってから思い出したように怒られたりした場合でも、その時に何をしたかという記憶が薄れてしまっているので、同じように何がどう悪かったのかを理解することができません。

言い換えれば叱るときのポイントは2つ、「理由をしっかり明示すること」と「適切なタイミングで行うこと」です。

叱るにはエネルギーが必要です

冒頭に述べたような「叱れない大人」が増えてきた理由としてもう一つ考えられるのが、「子供に嫌われたくない大人が増えた」ということです。

確かに愛する自分の子供から嫌われるのは大人にとってもつらいことですが、それをしなかったからといって将来もずっと自分を愛してくれるかというとそういうわけでもなかったりします。

むしろそうしたほとんど叱らずに育てた子供というのは大人になってもわがまま気質が抜けないため、両親や保護者に対して敬意や感謝の気持ちを持たずにいるケースが多くなってしまったりします。

叱るということは、子供の将来にわたっての人格形成を行う大変重要な行動です。

叱るために必要になるエネルギーはそのまま子供の将来のために必要なエネルギーと思い、毅然とした態度で望んでください。